7枚合板
中芯材と4枚の添材、さらに2枚の上板で構成されている。反発力と剛性が強いため、球離れが速い。個々の商品によって特徴が異なるが、7枚の合板構成のためブレードが厚くなりやすい。
5枚合板
中芯材と2枚の添材、さらに2枚の上板で構成されている。反発力と剛性のバランスがよく、ブレードの薄型化が可能である。個々の商品によって特徴が異なり、商品数も多いため、戦型を問わず初心者から上級者まで広く扱われている。
3枚合板
中芯材と2枚の上板で構成されている。打球感は柔らかいため、初心者やカット主戦型に用いられている。また、中芯材の厚さを確保できるので、高い弾みを有するラケットを作ることもできる。しかし、合板の枚数が少ないため、合板の中では強度で劣る。

特殊素材

ラケットは素材の85%以上は天然木と決められていて、15%以内なら木以外の材料を使用することが認められており、炭素繊維、アリレート(ベクトランファイバー)、ケブラー、ガラス繊維、チタン、ザイロンなどの特殊素材を使用したラケットも使われている。上記の素材の他、カーボン・ファイバーとアリレートを合わせたアリレートカーボンや、ZLカーボンと称されるザイロンとカーボン・ファイバーを合わせたもの、ケブラーとカーボンが使われた、ケブラーカーボンなども特殊素材として使用されている。

40mmボールの導入、スピードグルーの禁止、補助剤を用いた後加工禁止などのルール改正により、低下した打球スピードを補うため、特殊素材入りラケットがトップ選手を中心に用いられるようになった。しかし、特殊素材を用いることにより、合板本来の打球感とは異なる打球感になるという短所も抱えている。

木材の加熱処理

両ハンドスタイルが確立された現代卓球では、ラバーの重量化に伴いラケットも軽いものが求められ、ノングルー以降は、ラバーだけでなくラケットの反発力が求められてきた。また、木製であるためラケットは湿気に弱い。さらに、メーカー側も卓球ラケットには適していなかった桐材を、有効利用とコストダウンを兼ねて模索していた。このような問題を解決するため、木材を手軽に乾燥させる製造方法が確立された。

これは、木材の沸点よりも低い温度で加熱処理することで木材に含有されている水分を取り除き、軽量化と吸湿性の低減をするものである。この方法で製造されたラケットは、均一的な弾みに加えて、5枚合板でありながら特殊素材を用いなくても従来より高い剛性と反発力を得ることが可能となった。2010年頃より登場した新しいタイプのラケットがこれにあたる。

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